日本を含むビザウェイバー・プログラム対象国のパスポートを所持している外国人が、90日以内の商用や観光目的で米国に滞在する場合、 ビザなしでに入国することが許されています。しかし、ビザウェーバー・プログラムのもと渡米する場合は、事前にESTA認証が必要です。
このプログラムを利用して入国した外国人は、米国内で滞在期間を延長したり、 他の非移民ビザにステータスを変更することができません。従って、滞在期間が90日を越える場合や、 米国内で他の非移民ビザへの変更が必要な場合は、Bビザを申請するとよいでしょう。
商用取引が目的で、短期間米国を訪問する外国人に適合するビザです。就労ビザではないため、在米企業から給与をもらうことはできません。 主に、投資や企業設立準備、専門的な会議・セミナーへの参加、商品の買い付け、 取引先との商談などが適当な申請範囲として認められています。商用は雇用ではありません。
申請基準:
自国との結びつきや家族や雇用など自国へ戻る理由があることを証明しなければなりません。
B-1ビザは事前に移民局で申請手続きをする必要がなく、直接米国大使館で申請できます。
観光目的で短期間米国を訪問する外国人に適合するビザで、主に観光、友人・親戚の訪問、社会行事やアマチュア・イベントへの参加、 医療上の理由などが適当な申請範囲として認められています。
申請基準:
自国との結びつきや家族や雇用など自国へ戻る理由があることを証明しなければなりません。
B-2ビザは事前に移民局で申請手続きをする必要がなく、直接米国大使館で申請できます。
結婚が目的で渡米する米国市民の婚約者に適合するビザです。婚約者の21歳未満で未婚の子供はK-2ビザを取得することができます。 グリーンカード保持者の婚約者には適合しません。
K-1ビザの有効期間は発行から最長6ヶ月で、婚約者はこの間に米国に入国しなければなりません。 K-1ビザによる入国は1回に限られており、入国後は90日以内に結婚し、グリーンカードへステータスを変更する申請を行います。 滞在期間の延長や他のビザへの変更が認められていないため、入国後90日以内に結婚できる状況であることが重要となります。
申請基準:
E-1ビザは、米国と申請者の国との間で交わされた通商条約が基盤となって発給されます。 日本も米国と通商・投資条約を交わしているので、日本人は E-1ビザを申請することが可能です。
E-1ビザスタンプは通常発行から5年間有効ですが、入国毎に認められるEビザ保持者の滞在期間は、2年に限られます。 しかし、E-1ビザはH-1BビザやLビザと違い、延長できる期限に制限がないので、申請基準さえ満たしていれば無制限に延長が可能です。 また、 E-1ビザは、H-1Bビザのように最低給与額の保証や年間発給数に規定がなく、Lビザのようにスポンサー企業や関連会社での米国外雇用経験も問われることがありません。
E-1ビザは、事前に移民局で申請手続きをする必要なく、直接米国大使館で申請できますが、初めてE-1ビザを申請する場合、企業登録が必要になります。
申請基準:
E-2ビザは、投資条約が基盤となって発給されます。日本も米国と通商・投資条約を交わしているので、日本人は Eビザを申請することが可能です。
E-2ビザスタンプは通常発行から5年間有効ですが、入国毎に認められるE-2ビザ保持者の滞在期間は、2年に限られます。 しかし、E-2ビザはH-1BビザやLビザと違い、延長できる期限に制限がないので、申請基準さえ満たしていれば無制限に延長が可能です。 E-2ビザは、H-1Bビザのように最低給与額の保証や年間発給数に規定がなく、Lビザのようにスポンサー企業や関連会社での米国外雇用経験も問われることがありません。
E-2ビザは、事前に移民局で申請手続きをする必要なく、直接米国大使館で申請できますが、初めてE-2ビザを申請する場合、企業登録が必要になります。
申請基準:
H-1Bビザは、特殊技術や知識を必要とする専門職に就く外国人労働者に適合するビザで、専門分野での学士号、または同程度の実務経験が必要となります。 通常、米国の4年制大学を卒業した外国人に利用されることが多いビザですが、国外で学士号を取得した、あるいは同程度の実務経験がある外国人労働者にも適合します。H-1Bビザは職歴のない新卒者でも申請可能です。また、H-1Bビザ保持者は、移住する意思を持つことが許されています。
H-1Bビザの最大の難点は年間発給数に上限があることです。移民局の会計年度である10月1日から翌年の9月30日までの1年間に移民局が発給できるH-1B ビザの数は65,000件と決まっています。
なお、年間発給数のカウントから免除されるケースもあります。
初回H-1Bビザ保持者の滞在期間は、3年になっています。延長は3年間、通算6年まで滞在可能です。最長滞在期間に達した後は、通常、米国外に1年間滞在しなければ再度HまたはLビザの申請を行うことができません。 しかし、H-1Bの滞在資格が6年を超えて延長される特定の状況もあります。
H-1B申請は、上限の対象となる外国人労働者の雇用を求めるスポンサー企業が、登録期間中に電子登録システムに申請を希望する外国人労働者を事前登録し、当選した場合にのみ申請を提出する資格が与えられるシステムになっています。
申請基準:
取材活動が目的で渡米する外国人に適合するビザです。Iビザの適用範囲は広く、外国の新聞社、出版社、ラジオ局、テレビ局、映画制作・企画会社関係の記者、レポーター、カメラマン、編集者、スタッフなど、ニュースやドキュメンタリー性の高い出来事の取材、 報道価値のある情報収集・提供、教育番組の制作に携わっている報道関係者が含まれます。 この他にも、報道関係団体や協会から報道関係者として認知されていれる人や、 外国の報道関係企業と契約を交わしているフリーのライターやカメラマンなども、Iビザの対象となります。
しかしIビザはフリーランス・ビザではありません。米国での活動範囲は、スポンサーになった企業の業務に従事することに限られています。そのため、米国企業から収入を得ることができないので、スポンサーとなる外国の報道関係企業から、収入の保証が必要となります。 Iビザ保持者の滞在期間には制限がありません。従って、申請基準を満たしている限り、業務が終了するまで無制限に延長が可能です。
Iビザは、事前に移民局で申請手続きをする必要なく、直接米国大使館で申請できます。
申請基準:
宗教活動が目的で渡米する宗教関係労働者に適合するビザです。「宗教関係労働者」には、 聖職者の他、 宗教上専門的な職務に就いている人、または 宗教上、伝統的な職務に関連した業務に従事している人が含まれます。
初回R-1ビザ保持者の滞在期間は最長30ヶ月で、延長も最長30ヶ月です。
申請基準:
L-1ビザは、国際企業が重役・管理職者(L-1A)、または特殊技術・知識保持者(L-1B)を、米国の関連会社に派遣する際に適合されます。 通常、初回L-1ビザ保持者の滞在期間は3年になっています。延長は1回に2年ずつ、L-1A重役・管理職者の場合は通算7年、 L-1B特殊技術・知識保持者の場合は通算5年まで滞在可能です。Lビザ保持者は、Dual Intentと呼ばれる非移民と移民の意思を同時に持つことができます。
Lビザは、外国の企業が新規に米国に関連企業を設立する際に多く利用されるビザでもあります。 その場合、初回滞在期間は1年に限られており、その間に 「ビジネスを運営できる状態」 にしなければなりません。
申請基準:
H-2Bビザは、一回限り (one-time occurrence)、一時的 (intermittent)、季節的 (seasonal)、最盛期・繁盛期 (peak-load) などの、短期間での農業以外の仕事に就く外国人に適合されるビザです。 週35時間以上のフルタイムのポジションでのみ申請が可能で、パートタイムでは申請は認められていません。 H-2Bビザの年間発給数は、会計年度で合計66,000件で、半期ごとに33,000件が割り当てられます。
一回限り (One-Time Occurrence): 一回限りの仕事の必要性とは、過去に労働者を雇っておらず、一時的に労働者を雇う必要はあるが将来的には必要でないことが条件です。もしくは通常に雇っている従業員がいるが、一時的な事情によりさらに労働者を短期的に雇用する必要があることが条件です。
一時的 (Intermittent): 一時的な仕事とは、その労働の必要性が一時的もしくは時々であり、そのポジションで、常雇用の労働者を雇ったことがないことが条件です。
季節的 (Seasonal): 季節的な仕事とは、その労働の必要性が季節的な出来事やパターンと関連性があり、毎年同じ季節に繰り返し発生しうる性質のものです。また、その労働の必要性は、近い将来の具体的な日にちに終了することがわかっていることも条件です。
最盛期・繁盛期 (Peak Load): 最盛期・繁盛期での労働の必要性が、あくまで常雇用の労働者を補足するものであり、一時的な労働に従事する労働者が、常雇用とはならないことが条件です。
科学・芸術・教育・ビジネス・スポーツの分野で、卓越した能力を持っている外国人に適合するビザです。 「卓越能力」の定義は、専門分野によって若干異なり、科学・教育・ビジネス・スポーツの分野では、それぞれの分野でトップレベルに達したごく少数の外国人だけが、卓越能力保持者として認められます。 芸術分野は適用範囲が広く、芸能・美術・視覚芸術・料理芸術を始め、さまざまな芸術関連の職種が該当します。 この分野では、一般のレベルをはるかに上回った技術のある傑出した者、あるいは専門分野で有名人として認知されている外国人が、 卓越能力保持者として認められます。
初回O-1ビザ保持者の滞在期間は、イベントや公演に必要な期間ですが、最長は3年となっています。 延長は1回につき最長1年となっていますが、イベントや公演を終えるために必要な期間までは、無制限に延長が可能です。
申請基準:
Pビザは、スポーツ選手や芸能人・芸術家が、試合やイベント、公演のために一時的に米国に滞在する際に用いられるビザです。
P-1ビザ
P-1ビザは、国際的に知名度の高いスポーツ選手または芸能人・芸術家に該当します。 国際的な知名度とは、専門分野の活動や実績から、一般のレベルをはるかに上回った技術を持っていると、国内外で認知されていることと定義されています。スポーツ選手の場合は、選手自身も国際的な知名度の高さはもちろんのこと、チームスポーツの場合、そのチームの知名度も評価されます。
芸能人・芸術家の場合は、国際的に知名度の高いグループの一員として活動しなければなりません。個人の芸能人・芸術家はP-1ビザを取得することはできませんので、この場合は、Oビザを考慮する必要があります。 また、一部の例外を除いて、芸能人・芸術家は、少なくても過去1年間グループのメンバーであることを証明しなければなりません。芸能人・芸術家の場合、国際的な知名度を求められるのは、グループで個人のメンバーではありません。
P-2ビザ
P-2 ビザは、米国と外国との間で交わされた相互交流プログラムに基づき、個人で、あるいはグループの一員として活躍する芸能人や芸術家に該当するビザです。
P-3ビザ
P-3 ビザは、文化的に特有な分野で活躍する芸能人や芸術家が、個人で、あるいはグループの一員として、その分野での公演、訓練、または指導する際に該当するビザです。 文化的に特有とは、ある国や社会、階級、人種、宗教などに存在する独特の芸術的表現や方法、手段のことをいいます。
個人のスポーツ選手の場合は5年間、延長5年間で通算10年間米国に滞在することができます。 その他のカテゴリの場合は、1回の申請につき、試合、イベント、公演など、米国での活動に必要な期間、最長1年に限られています。 延長もイベントや公演を終えるために必要な期間、1回につき最長1年となっています。